野田 健太さん(体外診断薬企業勤務)「名古屋市立大学」
研究テーマ:認知症における血液バイオマーカーの研究動向、および費用対効果に関する研究
略歴2012年3月 千葉大学大学院 医学薬学府 博士後期課程 修了 (PhD)
2022年10月 名古屋市立大学大学院 芸術工学研究科 博士後期課程 入学
研究内容
アルツハイマー型認知症(AD)は最も一般的な認知症のタイプで、進行性の神経変性疾患です。グローバルでの患者数は2050年までに1億1,500万人に達すると予測されており、ADにかかる推定費用は2015年だけで8,180億ドルと報告されています。現在、診断方法としては画像検査(MRI、CT等)、脳脊髄液(CSF)検査がありますが、診断精度、侵襲性などの課題があり、非侵襲的で高精度な血液バイオマーカーが切望されています。しかし、血液バイオマーカーは比較的新しい研究分野である為、そのエビデンスレベルやどのような研究が活動的に実施されているのかを分析しています。また、この新しい診断方法の費用対効果の分析についても研究しています。
進学を検討している方々へのメッセージ
児玉研の幅広い最新の研究分野を他の大学院のメンバーと切磋琢磨議論し、研究仮説の設定や仮説を証明する論理性、データ解析等のスキルを身に着けることが出来ます。私は社会人大学生ですが、ゼミは仕事が終わった後の時間に設定頂いておりますので、無理なく参加させて頂いております。また、諸先輩方からも手厚くアドバイスを頂け、非常にオープンな環境で研究活動を実施することが出来ます。
児玉研究室を選んだ理由
私は大学院を卒業後、一貫して体外診断薬(Invitro diagnostics: IVD)の研究開発に従事してきました。その過程で様々なアカデミア・企業と共創し、新しい検査方法を開発してきましたが、診断薬業界では新しい診断技術やデジタル化技術を診断応用するゲームチェンジャーが出現し、既存のビジネスモデル・開発の進め方だけではIVD企業が存続していくことが難しい環境となってきました。児玉先生の研究室では、mHealthへの取り組みや、研究トレンドのネットワーク解析、医療経済学的な分析と非常に幅広く、まさに最新のヘルスケアに触れる研究機会があるため、名古屋市立大学大学院の博士後期課程を選択しました。