ジュリアン 亜里紗さん(製薬企業勤務)
2022年3月PhD.取得
研究テーマ:抗がん剤開発におけるオープンイノベーションに関する医療経済学的研究
略歴2008年3月 RU11大学大学院薬学研究科博士課程前期課程修了(MSc)
2019年4月 立命館大学大学院テクノロジー・マネジメント研究科博士課程後期課程入学
2022年3月 同博士課程後期課程修了(PhD)
研究内容
医薬品の研究開発における組織間提携の効果に興味を持ち、抗癌剤開発に着目して研究を行いました。特に医薬品研究開発における組織間提携が医薬品研究開発の成功、すなわち医薬品の承認取得や製品売上に対し効果的であるか、効果的である場合どのような特徴があるかを見出すべく定量分析を中心に追究しました。
進学を検討している方々へのメッセージ
PhDコースでは一連の研先活動の習得、すなわち研究の動機から研究目的の設定、先行研究のレビューなどによる課題の具体化(リサーチクエスチョンの設定)、仮説の導出、データ分析や結果の考察、学術的および実務的貢献への展開、新たな概念の提案などの過程を学ぶことができると考えます。 私は、社会人大学院生として平日の通常業務への影響を最小限にできる大学院を探しておりましたが、本研究科は週末や連休に合わせた講義が用意されていたこともあり、問題なく必要な単位を取得することができました。
児玉研究室で博士号を取得した感想
児玉研究室は指導教官が薬学博士であり業界に精通している背景もあり、医薬品産業をテーマとした経営技術の研究ができることが最大の魅力であると考えます。加えて、同研究室ではヘルスケア業界に関する研究のみならず、ウェアラブルデバイス、モバイルヘルスなどを活用したデジタルトランスフォーメーションに関する研究も行っており、定量分析および定性分析に精通した幅広い指導を得る機会を有しています。また、東京工業大学の技術経営を取り扱う研究室や他の大学、企業とのコラボレーションも活発に行っており、知見およびネットワーキングを展開する観点でも有意義でした。
児玉研究室を選んだ理由
医薬品産業はアンメットニーズの変化、治療技術の変化に伴い、規制当局ではレギュレーションの転換を、また企業においては研究開発戦略、事業戦略の転換を余儀なくされています。持続的変化を伴う製薬企業の研究開発において約15年務める中で、企業人として開発パイプラインを前進させる一方、個人として産業構造や事業戦略について体系的な知識や知見を得ることでよりグローバルヘルスへ貢献できるのではないかと考えました。当研究科PhDコースは技術経営学を学び研究することに対する学術意欲を満たすのみならず、同業種、他業種の研究室メンバーと意見交換する場にあふれていると確信したため選択しました。
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